圧倒的ルサンチマンと諦観! 『青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。』のレビュー☆彡

圧倒的ルサンチマンと諦観! 『青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。』のレビュー☆彡

並み大抵の小説は、主人公が物語の中で紆余曲折ありながらも、最終的には何かしら成長するものである。

しかし、この小説の場合は少し違う。

最終的には妥協をし、諦める。そんな話だ。

この『青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。』というライトノベルが、僕は好きだ。

俺ガイルのパクリだというようなことをちらほら言われているが、まぁ確かに似ているけれど、この作品は俺ガイルとは根本的に異なっている。

どっちも面白いけどね!

ちなみに僕はハッピーエンドとバッドエンドなら、基本的にバッドエンドの方が好きだし、二次元のモテる主人公にすら嫉妬してしまうガチ非モテ男子である。

僕と同じような人なら、おそらくこの作品を読んで面白いと感じるはずである。

あと、落ち込んでいる人にもおススメかもしれない。

※ここからはネタバレが入ります※

まず、主人公の狭山明人くんは運動も勉強も平均以下で、おまけに性格がクズという負の属性を網羅したキャラクター。

そこにいたのは一人残らず、他の同級生たちが当たり前のように出来ることが出来なかった、どうしようもない劣等生たち。
けれど、そのなかにだって序列がある。まだマシな落ちこぼれと、そうじゃない落ちこぼれ。
だから、せめてその落ちこぼれたちのなかで最も劣ったやつにはなりたくないと、大半の生徒が密かに思っていただろう。
<中略>
そんな気持ちに突き動かされて、一人、また一人と、課題を終わらせて教室を去っていく。
そして、最後に残ったのが、俺だった。全員が、俺を見て胸を撫で下ろしたはずだ。
まだ、あんなにダメなやつが下にいて、よかったと。

勉強でも最下位って辛いなぁと思った(小並感)。

全体を通して、彼のルサンチマン的な物言いが面白い。

そんな彼と、小野寺薫という陸上部だったが足を壊してしまい、今は走れない美少女。二人が藤崎小夜子という電波女に呼び出されるところから話は始まる。

藤崎さんは簡単に言えば、弱者である二人を助けて自分の存在意義を確認したいというような感じの子だと推測できる。

「明人の人間性を矯正し、真人間にするのが特別生徒相談室の最初の活動となるのです。頑張る方向なのです」と。

また、小野寺さんの足を何とか直して、陸上の世界に戻るお手伝いをすることも藤崎さんの目標である。

こういうキャラは嫌いじゃない。NHKの岬ちゃんを連想させる。

完全な善行など存在しない。圧倒的偽善がそこにはあった!

ここまで説明すればだいたいの内容は理解できたと思う。

話が進む中で、引きこもりの底辺YouTuberとか、すぐ自殺しようとするメンヘラのイケメンなど面白いキャラも出てくる。

引きこもりYouTuberこがタクの話は本当に面白かった笑。

『ニートとは明日をも顧みぬロックな人々』という文言に脱帽した。

ニートはいつまでもダラダラと怠惰に生きられるわけではない。

いつか追い出されるかもしれないし、親が亡くなって金も尽きたら生活できないし。

だけど明日なんて、未来なんて知ったことかと、怠惰な日々を謳歌するニートはまさしくロックンローラー。

今という時、刹那を生きる勇者だ!(皮肉)

そして見事オフ会0人を達成するというね。

そして物語の結末について。

これが本当に感動した。

小野寺さんはなんとか壊した足を治療できることになるんだけれど、彼女はそれに対して積極的じゃないんだよね。

そして結局は治療せずに、完全に陸上競技をやめる決断をする。

思い入れのあるであろう陸上シューズも捨てた。

彼女はもう疲れてしまったのだ。

練習して足を痛めて、治して、また足を痛めて。そうしてライバルたちに抜かれていって。そんな日々に。

彼女はもうとっくに走ることが好きではなかった。

悲しいことだけど。

だから足を深く痛めたことは彼女にとって、やめる言い訳として丁度良かったのだけれど、治療できるということになったので、葛藤の末自らの決断で陸上と決別するのだ。

夢を諦めて、それでいいのだと現状を肯定する。

清々しいバッドエンディングだった。

ー俺たちは、青春に負けている。

輝かしい高校生の青春の日々。そんなものはなく、妥協し、諦め、偽って、それでも生きていくしかないのだ。

ほんとに敗北してるなぁ。

この作品の圧倒的なネガティブ感が僕は好きだ。

僕は定期的にこれを読み返す。だから病んでるのかな。

作者の境田吉孝先生のあとがき。

生まれてきてごめんなさいなどと書いてあってすごいなと思った。

すごく突き抜けている作品なので読んでみるといいと思う。おすすめ!

それでは!

 

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